
お節句は、その子が無事に成長するようにとのお祝いですから、基本的には、五月飾りもそれぞれに用意したいものです。しかし、もしそれが出来ない場合も、なにかその子自身のための五月人形などを買い求め、その健やかな成長を祈ってあげましょう。
五月人形同様、鯉のぼりも基本的には一人一人のものです。次男、三男の場合には、鯉を足していったらよいでしょう。
「...大きい真鯉はお父さん、小さい緋鯉は子どもたち...」の歌のように、青い五月の空を水に見立て、カラフルな家族の鯉をたくさん泳がせる、この素晴らしいアイデアこそ、端午の節句の象徴といえるでしょう。
以上の見解はごく標準的なものです。全国にはさまざまは風俗習慣がありますので、父方と母方とでは、あるいは考え方の違いもあることでしょう。しかし要は気持ちの問題、可愛いお子様のためによく話し合い、最良の方法で明るく楽しくお節句をお祝いしてください。
なお、なにかの事情で人形を保存できなくなったときは、全国各地の社寺で行われる人形供養(人形感謝祭)に持参し、若干の供養料を添えて納めるのがよいでしょう。
五月五日当日、またはその前夜(宵節句)に、両家の祖父母、親戚、親しい友人などをお招きします。また、お返しは子どもの名前で内祝いとして贈ります。これには古くから、ちまき、または柏餅がよく使われます。お礼の手紙に赤ちゃんのスナップ写真を添えるのもよいでしょう。ただし、お祝いの席にお招きした方には、特にお返しの必要はないでしょう。
春分の日過ぎ、遅くとも四月中旬頃までには飾って、当日を楽しみに待ちましょう。大切なのは毎年飾ることです。年一回のお節句です。毎年飾ることで、わが子に対する家族の祈りを新たにし、また子どもとの対話を深めることが出来るでしょう。
なお、お節句は季節の行事ですから、それが過ぎたらしまうのはなるべく早めに、五月中旬までのお天気のよい日を選んでしまいましょう。鯉のぼりも同様です。
お正月飾り、三月五月のお節句飾り、そして七五三... どれも、子どもが無事に成長し、立派なおとなに育つようにという、人生の節目を祝うお祭りです。
竹が節目を持ちながら強くまっすぐに成長するように、人生の節目々々を祝うのは古くからの日本のしきたりです。たとえ贅沢なことはしなくても、ぜひ心をこめて、各ご家庭でお祝いをしてあげて下さい。
節句飾りとは神社の御守りと似た意味合いを持ち、赤ちゃんの身にふりかかる災難を、鎧・兜が身代わりとなって受けてもらおうという、子を思う親の心の表れで古くから受け継がれてきました。
一人一飾りという言葉も、御守りを譲り受けないということと同じく、災いを受け継がないという意味からきています。