
上段に内裏雛を飾る雛の館のことを京都では御殿と言いました。
その中に一対の雛を飾る形式が江戸時代から流行してきます。この御殿のことをお厨子とも呼びました。
御殿は、紫宸殿になぞらえたものとも思われ、またこの御殿作りを源氏枠とも言います。
公卿の装束を、有職故実に基づいて正しくつくった雛のことです。
十六世紀に始まるヨーロッパのドールハウスは、当時の貴族家庭の人物や調度品類を実物通り縮小製作した、まるで「人形の家」を連想させます。
江戸時代(1751~64年)、公卿が人形師に注文して作らせたのが始まりと言います。
やなぎもの(柳物) 約9センチ
やなぎもの(柳物) 約11センチ
こげし(小芥子) 約12センチ
けし(芥子) 約14cm
こさんご(小三五) 約16センチ
さんご(三五) 約20センチ
じゅうばん(十番) 約22センチ
九番以上は番数が小さくなるほど寸法が大きくなります。
地域によってひな人形にも随分と差があります。
例えば都市部では、三五や十番の平飾りがよく飾られ、地方の場合、地域によっては三段飾りが主流と言うこともあります。この主因は住居の面積の差と考えられます。
ひな人形にも流行はあります。1~2年では分りませんが、五年前、十年前のものと比べると確実に変化しています。
素材の変化はもちろんですが、色・柄・仕立ての変化などに、ある程度その時代の流行が見られます。
関東で作られる雛人形を関東雛、京都で作られる雛人形を京雛といいます。
関東雛の頭ははっきりした目鼻立ちですが、京雛は目もやや細めで、京頭といわれる独特のおっとりした顔立ちです。ただし、最近では以前ほどの顔つきの違いは少なくなりました。
段は通常、二段・三段・五段・七段があり、さらに間口によって三十号(三尺、90センチ)、三十五号(三尺五寸、105センチ)、四十号(四尺、120センチ)、四十五号(四尺五寸、135センチ)、五十号(五尺、150センチ)と分かれます。
人形のあたまの部分を頭といいます。十数年前までは桐のおがくずを固めた練頭やプラスチック製の頭が主力でしたが、現在はほとんど石膏製です。目玉の入っているものを、入れ目、目が描いてあるものを書き目と言い、衣裳着はほとんど入れ目の頭が使用されています。
また、木目込人形はほとんどかきめです。これらは素焼き頭と言って、粘土を型抜きして釜で焼いて作ったものを多用しています。
頭は非常に汚れやすい部分です、素手で直接、人形の頭の部分に触れないようにしてください。
なお簡単なよごれなら、早いうちにティッシュか綿棒をほんの少し水に浸したもので軽くこすれば取れます。